ポロポロと

ポロポロと

溢れてくる涙を

止められなかったのは

彼が優しかったから


我慢してた

愛情に飢えてた

ずっと我慢してた

哀しくて辛くて

寂しくて

どうにかして欲しくて


涙は不思議だね

どんなに我慢しても

自分では制御できないの


私の心は荒んでた

冷え切っていた

やるせなくて

辛くて苦しくて

ずっと我慢してた


ポロポロと溢れる涙を

止められなかったのは

彼が優しかったから


身体全体が

浄化されてく気がした

浄化されてく気がした




⭐️死のうと思った


最期の旅になるのだし

私は人なんて

誰ももう信じない


皆んな自分勝手で

自分のことばかりで

してもらうことばかり考えて

私のことなんか

吹いては飛ぶ程度の

なんてことない存在くらいにしか


私なんて

死んでしまったところで

誰も悲しまない


最期を選択するなら

行きたい場所へ旅に出よう

最期の晩餐を

この旅で締めくくろう


レストランの賑わいは

時に残酷で

わたしは「ひとり」だと

寂しさを

より強固に突きつける



そんな時に

彼が話しかけてきた

最初は笑って話した

心は笑ってなんかなかったのに


新手のナンパ師

そんなのどーでも良かった


我慢できなくて

涙がポロポロ落ちてくる

涙が次々落ちてくる

止められなくて


新手のナンパ師は

オロオロと

どうしたのかという言葉が

わたしの耳に聞こえてる


我慢できなくて

止められなくて

「少しだけ泣かせて下さい」


振り絞って

新手のナンパ師が

黙ってわたしの側にいてくれる


罵った 

大泣きした

泣いた

大泣きした


新手のナンパ師

ずっと側にいてくれた

ずっとその場に


ポロポロ流れた涙が

ようやく止まった


寂しさが消えた

苦しさが和らいだ

ひとりじゃないと思えた


「生きよう」と思った